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独学をして本業に活かすために!好きな産業の仕組みについて学ぶ

自分が日々消費している商品やサービスについて、これらの原価はいくらで、企業にどのくらいの利益がもたらされるのか、その商品やサービスの販売によってもたらされた利益は、その企業の全体利益のうち、どの程度を占めるのか、またどのような流れで製造・作成され自分の手元に届いているのか。こんな疑問を抱くことがあるんですよね。

僕は社会人になって、広告営業として様々な業界の企業と取引をするなかで、業界ができあがっていく仕組みに強く興味をひかれるようになりました。

しかし、いわばそれぞれの業界の最も基本的な常識ともいえるその仕組みについて、取引先である担当者に直接聞くことはなんだか憚られますよね。「なんでそんなことも知らないんだ…この担当者大丈夫かよ…」そんなことを思われるんじゃないかと心配になるのは大多数の人間の心理だと思います。(えっと、僕だけじゃないですよね…?)

僕自身、直接疑問をぶつけることができなかったので、自分で勉強することにしたのが「独学」をはじめようと思ったきっかけです。そこで僕が狙いを付けたのは「映画業界」。そう、単純に映画が好きなんですよ。その程度の理由です。映画業界について知ろうと思ったのは。

映画産業の基本構造

たとえば名探偵コナン劇場版の最後に「製作委員会:読売テレビ・小学館」「配給:東宝」のような記述があります。

まずそもそもこの制作員会や配給が疑問だったんです。「なぜ映画のエンドロールにテレビ会社と出版社の名前があるのだろうか?製作委員会として名前を連ねることが、彼らにとってどのようなメリットがあるんだろう?」

それを知るにはまず製作と配給の違い、それぞれの役割について知るべきだと思いました。Web上で検索すれば十分な情報が出てくるのですが、業界の構造を体系的に学ぶには、ある程度のボリュームでまとめられた書籍の方が理解が早いだろうと思い、以下の書籍を購入し読むことにしました。

https://www.amazon.co.jp/dp/479804976X

仕事から帰った後の1時間を使って毎日読み進めていき、1週間かけてようやく読み終えた結果、映画業界というのは以下の図のような構造になっていると理解しました。

製作会社:映画そのものを制作するための資金集めから、撮影、映像編集して映画として完成させるまでをおこなう会社
例:東宝、東映、松竹、東北新社、オフィス北野など

配給会社:出来上がった映画を買付けて、興行会社に売り込む会社。担当映画の宣伝も担う。映画の代理店的なポジションにある会社
例:東宝、東映、松竹、東北新社、オフィス北野など

興行会社:仕入れた映画を映画館で上映し、観客を動員して興行する会社
例:TOHOシネマズ、松竹マルチプレックスシアターズ、ユナイテッドシネマズ、など

映画業界のお金の流れ

映画産業の各プレイヤーの役割に加えて、売上げ構造についても把握すると理解が深まります。

たとえば興行収入が10億円の映画の場合、まず興行した映画館に全体のうち半分の5億円が分配されます。残った5億円のうち、フィルムプリント・宣伝にかかった費用1億円を差し引いた配給収入のうち20%の8,000万円が配給手数料として配給会社に分配されます。そして製作会社は残った3億2,000万円を手にする構造になっています。

興行会社って全体売上の50%もの金額を手に入れてるんですね。
コストもそんなにかからなさそうだし、儲かりそうです。

一方、配給会社も代理店的な立ち位置だと考えると、振り出し資金もないですし、20%配分は妥当であるような印象を受けます。

さて、製作会社はどうでしょうか。
ここで忘れてはならないのが、映画製作費は製作会社が負担しているということです。
映画制作費はまちまちですが、日本の映画だと数千万円〜数億円程度のものが多い。この制作費を考えると、製作会社の利益幅ってかなり少ないですし、下手したら赤字ですよね?

製作会社って全然儲からないじゃん!これが僕の率直な感想でした。

映画業界の慣習

映画のつくり手である製作会社が全く儲かっていなさそうなのに、なぜ毎年何百本もの映画が誕生しているんだろう?というのが次の疑問でした。

その答えは、大きく以下の3つだと自分なりに解釈しています。

1.映画会社大手が製作−配給−興行の工程を1グループでおこなっている

たとえば業界最大手の東宝。

映画製作は「東宝映画」、配給・宣伝は「東宝(営業部)」や「TOHOマーケティング」、興行は「TOHOシネマズ」など、映画製作から興行までをグループで一気通貫できるようになっています。
劇場をもって興行までおこなえる企業は多くはないですが、ほとんどの映画製作会社は配給部門の機能をもち、売上の取りこぼしを少なくしています。

2.映画製作委員会を設けて映画製作に対して共同出資をおこなっている

先行投資となる製作費に対して、リスクを分散するために製作委員会方式を採用し、委員会参画企業が出資し合うかたちをとります。
冒頭にお話しした名探偵コナンの劇場版に小学館や読売テレビの名前が入っている理由はこれで解決しました。
名探偵コナンは、漫画は小学館、テレビアニメは読売テレビがそれぞれ販売・放送していますから、権利関係的に小学館・読売テレビが製作委員会に入り、出資して利益分配を受けようとするのは自然な流れとして納得できました。

3.興行以外の方法(映画の2次利用)で収益をあげている

映画が公開されて半年ほど経つとその映画のDVD版が販売されますよね。そこからまた半年ほど経つとTSUTAYAやamazonでレンタルが可能になります。最近ではNetflixやhuluなど、SVOD(Subscription Video On Demand—動画定額配信サービス)でも視聴が可能になってくるケースもありますよね。
これらの販売収入やライセンス収入で、映画の製作会社は2次収入が得られます。

なるほど、こんな仕組みで映画は僕たちのもとに届いているんですね。

業界関係者を実際に訪問してみる

僕の場合、ここまで理解したところで、これ以上の業界動向を学ぶには、実際に関係する企業に訪問して自分の耳で聞いてみた方がスムーズに理解が進むだろうと、映画業界に営業をかけてヒアリングするようにしています。

僕のメイン職業は広告の営業なので、「映画の宣伝」を担う配給会社をメインに訪問して、もちろん自分の仕事(広告の営業)をしながら、業界の動向について直接質問してみたり、分からなかった用語をメモしてあとで調べたりしています。

また一方で、ある程度映画業界の構造を把握しているので、本業自体も捗るようになりました。

相手の業界についての予備知識があると、まず会話のアイスブレイクの幅が広がります。

たとえば配給会社に訪問したときを例にとると、「御社、今度○○公開されるんですね。今回は製作委員会に○○社が入ってるじゃないですか!○○社も映画投資に積極的になってきたんですね!」なんて発言をこちらからしてみます。

すると、相手も自分のフィールドの話で気が緩むのか、「そうなんですよ!実は○○社の製作委員会入りは今回が初めてなんですよ。反対意見もあったんですが、○○社も事業成長機会を作ろうとしていますね」のような具合に会話が弾みます。

「今日はあいにくの雨ですね」というアイスブレイクより、濃度高く相手の懐に入りやすいアイスブレイクになっていると思いませんか?

また、実際に配給会社に提案する際にも、相手の業界構造を理解していると決定率の高い提案ができます。

たとえば訪問した配給会社はAという映画のDVD販売権を○○という製作会社から買っているとします。
Aという映画はSVOD(Netflix, huluなどのストリーミングビデオサービス)でも公開されていますが、この取引はSVODと製作会社間の取引であり、前述の配給会社には何の関係もない取引です。

配給会社はDVDを販売して利益をえるために、広告宣伝をしたいのですが、映画の広告宣伝をした結果、消費者がNetflixやhuluでその映画を視聴してもなんの利益にもならないのです。

その状況を理解していると、配給会社に対して「映画AをNetflixやhuluではなく、DVDを買ってもらい観賞してもらうための提案」が、わざわざ配給会社から求められなくても提案できるようになります。

全く知らないことをゼロから学ぼうとするのには、少しパワーが必要ですが、自分の仕事や趣味と紐づけて理解しようとすることで、呑み込みも早くなり、その知識を活かす場面も増えるので、独学に対するモチベーションもあがります。

①仕事や趣味に取り組むなかで生まれた疑問について勉強してみる
②その知識を同じく仕事や趣味に活かしていく

たったこの2つを繰り返していくことで、知識の幅はどんどん広がっていき、仕事や趣味がうまくいくようになり、新しい挑戦の機会が訪れるようになるだろうと、そんな風に思って、独学に取り組んでいます。

(金平糖)

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